ゲーム業界について語っちゃうマン1号

今日は雑記的に書いていこうと思います。
実はGMLネタはなかなかカロリーの消費が激しいので、開発に集中できないので緩やかに更新していきます。

私は15年ほどこの業界にいまして、バイトも含めると16~17年ほどになります。

最初はPlaystationやGBAからPS2・DSへの移植をするような時代でした。
デザイナーとして始めたのですが、今はプロデューサーやディレクターも経験させてもらい、何だかんだで結構長い事いろんなことをやっています。

今回は最初ということで、パッケージゲームで利益を得ている実態をお教えします。

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ゲーム会社はゲームに関する利益で経営している企業の事です。
『何を当たり前のことを…』と思う方も多いかもしれません。
ただ、この当たり前のことを実はよく分かっていない人が多いのも事実です。(もちろん詳しく知っている人もいるでしょう)
あ、お金の話ですが、別にズルい事も何もないので、そんな感覚を持ってる人は読まない方がいいでしょう。

それでは…会社にとっての利益になるまでの道のりを想像したことがあるでしょうか?

ゲームが利益を生むまで

パッケージゲーム(家庭用ゲームとしてパッケージ販売をしているゲーム)の場合を見てみましょう。
例えば、5,000円(税別)のゲームがあるとします。
この価格の事を「メーカー希望小売価格」と言います。聞いた事ありますよね?

小売店

みなさんが手に取るのはゲーム屋さんや家電量販店などですよね。
これらを小売店と言います。

この小売店の粗利はおおよそ30%です。
そこには当然人件費や地代家賃なども含まれています。
なので、メーカー希望小売価格のうち1,500円は小売店の取り分として考えます。

さぁ、3,500円になりました。

卸業者

さて、この小売店までゲームを運搬しているのは誰でしょうか?
卸売業者です。いわゆる問屋さんですね。

この問屋さんはおよそ10%の手数料を取っていきます。
つまり、小売店の30%問屋さんの10%を合わせて、メーカー希望小売価格から40%引かれます。

この時点で3,000円です。
1本あたり60%も入るんだから御の字じゃろがい!と、そう思うかもしれません。

製造費

忘れてはいけないのがパッケージ代です。
同人誌などの印刷物を経験した人は分かるかもしれませんが、モノを製造するのにお金がかかります。
およそ1,000円くらいだと思っておいてください。

厳密な数字はハードやソフトの媒体(ブルーレイとかフラッシュカードとか)やプラットフォーマーによっても変化するので、ここではぼかした数字にしておきます。

1本あたり2,000円になりましたね。
さて、これが1万本売れたと仮定しましょう。

ちなみに製造費は1万本×1,000円なので1,000万円をパッケージ代や印刷代で支出しています。

メーカーに入ってくるお金は?

単純計算ですよね。そう、2,000万円です。
これ、どれだけ絶望的な数字かわかりますか?

年収1,000万円の従業員が2人×1年間このゲームに関わって±0円になるのです。
年収500万円の従業員なら4人×1年です。

開発費はここから支払われているわけです。

広告宣伝費

え?突然現れたな!と、そう思いましたか?

みなさん、ゲームを手に取る前にテレビCMを見たり、Web広告でそのゲームを見かけたりしますよね?
プロモーションは、かなりお金がかかるんですね。

目安としては500万~3,000万円
これは販売見込み本数によっても変わりますので、上下する事はあります。

500万円…どこかで見ましたね?
そう、年収500万円の従業員1人(年)分です。

で?パッケージゲームってどうなの?

自社でパブリッシングして、宣伝して、1万本売ってこの状況です。
ここで、ファミ通さんは毎週販売本数ランキングを出してくれていますので、見てみましょう。

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2019年11月6日時点では、ランキングの中盤の初登場PS4のソフトが1万本程度です。

は?絶望じゃん

そう思いますよね。
いやいや、ちょっと待ってください。
実はいくつかカラクリがあります。

絶望を乗り越えるカラクリ

第一に、複数のプラットフォームでリリースする事です。
上のランキングではPS4だけしか見えませんが、Switch版も5,000~7,000本ほど売れています。

インディゲームに興味を持っている方は分かるかもしれませんが、マルチプラットフォームは今や必須です。
何故なら販売本数を少しでも上げることができるから。

第二に、海外版のリリースです。
このランキングはあくまでも国内のランキングです。
なので、実際はプラス0.5~1倍程度は追加で売れていると思います。
近年海外全体のゲーム市場が大きく伸びているので、もしかするとそれ以上の場合もあるかもしれませんね。

第三に、ダウンロード販売の存在です。
この数年でようやく根付きましたが、今はダウンロード販売の方が多く売れるタイトルもあるかもしれません。
計算方法が違うのでここでは詳しく話しませんが、大まかには同じくらいの売上です。 こちらもプラス0.5~1倍程度は追加で売れていると思います。

さて、合計何本売れたと思いますか?

結果

最初に仮定した販売本数1万本だったゲームは、国内外+DL販売で3万本ほど売れたことになります。
つまり3倍ですので、2,000万円だった売上が6,000万円になりました。

ようやく現実味を帯びてきましたね。
労務費が年間600万円かかる従業員10人でプロジェクトを回す事が出来ます。

まとめ。

今回は事実として計算を書いてみました。
割とリアルな事実です。

ただ、実はパッケージゲームも全然絶望的ではないんですよ。
だって30万本売れたら6億円になるってことですからね。
例えば、メーカー希望小売価格1万円弱で売っていたモンスターハンターワールドは(現時点の累計は知らないけど)国内だけで300万本くらい売れてるわけですよ。

ここまで読んでくれた賢いあなたなら計算はできますよね?

カプコンがいかにモンスターハンターに救われたのかよくわかる数字になったはずです。

ゲーム企業で企画を作る方に…

最終的に経営者は「それが何本売れるの?」で判断するわけです。
ゲームが面白いのは当たり前なんです。
ラーメン屋に行っておいしいラーメンが出てくるのは当たり前ですよね?

ゲームが面白いかどうかは(最低限のレベルなので)経営者に対しては特に意味がありません。
おいしいラーメンの上でお客さんにとっての他の価値があるのかを考える事が必要です。


ちょっと堅いお話をしましたが、まぁ事実なので。
ゲーム会社で『なかなか企画が通らない…』とか『面白いのかわからない…』とかで悩んでいる企画のみなさんは、もう一度この内容を思い返して、企画を作ってもらえればと思います。

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